大人の読書感想文・あるいは読書記

~先人の思いや歴史背景なども考えながら本を読んでみました~

『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察 3⃣ カーテンの位置を勘違いしていたのに気付いた事で、パウロが終末信仰を始めていたことにハッとさせられ…

カーテンの位置について、自分は扉から少し離れた所から垂らされているように思い浮かべてしまっていたのですが、

アップ前の見直しをしている中で「カーテンの位置は扉のすぐ近くだったのだろう」という事に気付いて、

 

それで(『悪魔が来りて笛を吹く』からは離れてしまいますが)
パウロが最初からイエスの教えを覆い隠してしまっていたように感じていたのがあったのと

パウロが終末信仰をはじめていたことに改めてハッとさせられ…

↓こちらの記事でパウロが終末信仰をはじめていたことに触れていましたが

『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察 きっかけは、「(黙示録で)天使がラッパを吹く」というものが「もしかしたら天使がラッパを吹くのは “悪魔が現れたぞ” という事でラッパを吹くのかも知れない」と思った事から

 

エスの教えとは違うものが強い影響を与えてしまっているのではないか?と思いました。

 

ただ、パウロが取り上げられていくようになったのはいつか?(初期のキリスト教は迫害されていた)

ローマ帝国キリスト教を公認したのは313年。
388年、テオドシウス1世がカトリックのみを唯一の公式宗教(国教)と定めて
392年、ギリシア・ローマの神々などすべての異教(多神教)の礼拝を禁止したという。

 

パウロユダヤ人。

ただ、福音書の著者はほとんどが「異邦人」だそうで、

「異邦人」のものとされていないのは、

 

いま、日本のアニメや漫画が「海外で聖書扱いされている」と耳にするようになっているのですが

(すごい影響力で怖いくらいですが…)

 

でも、例えば任天堂とパルワールドのトラブルでは
海外からは任天堂の方が叩かれてしまっている。

 

ベルセルク」というマンガが無許可でアニメ化され、それを出版社が許諾していないという声明文を出したらそれも叩かれているという。

 

↓他にも、日本のアニメが世界中でブームと言われる一方で、起きている事があります。

 

エスユダヤ人でしたが、ユダヤの人たちの方が迫害を受けてきてしまった。

迫害が強まっていったのは中世頃からだそうですが

 

↓そして今…ガザに対してだけでなくにまで戦火が広がってしまっていますが…

ルワンダの虐殺、ガザの悲惨な現状(中東に戦火が広がってしまっていますが)、そして…日本が第三次世界大戦の引き金を引いたようにさせたい勢力が動いているように感じます

 

日本も他人事ではなく、まるでパレスチナの人のようにやられてしまっている面もあれば

まるでイスラエルのように、日本が戦争の矢面に立っていってしまっている面もある…

色々な形をした戦争の矢面に立たされていっている日本…このような状況下で出される日本製のワクチンには危惧しかありません。他国の人にも気を付けて頂きたい…

 

 

パウロの手紙にはユダについて直接の言及はないそうです。

イスカリオテのユダについての一考察」より

 

一番古いマルコ福音書にはイエスの復活は書かれていないという。

キリスト教の誕生

↑それぞれの主観を楽しもうとありますが…いまかなり良くないものが表れてきているのもあると思います。

 

科学や医学…他にも主観だけで出来上がって来た訳では無いもの、沢山あると思います。

 

これは大事だなと思うものはありますが、先人の方たちの検証によって「聖書に書かれているといっても、鵜呑みに出来ないものもある」と分かって来たものもあると思うのですが…
自分のような者が言うのは躊躇われるのですが…「悔い改めよ」という事と「人はパンのみにて生くるにあらず」という事、とても深い言葉だと思います。

 

2024/10/16 更新
内容的には大きな変更はありませんが、文章を修正しました。

『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察 2⃣ こちらは3度目に読んだ段階 ※アップ前に少し修正しています。

~はじめに。推理とは関係ないのですが、こういった事が推理を深めていくきっかけになったというものを~

本当は三回目を読もうとは思っていなかったのですが、
おこま(”作中の犯人”の恋人の母)がどうすればよかったのだろうと
(殺された中では、今の世では罪が一番軽いと思われるおこまが一番長く苦しみの中にいた)
そう思って読みなおす事になって「推理が甘かった部分」などに気付きました。

『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察 1⃣ こちらは2度目に読んだ段階※アップ前に少し修正しています。←こちらの記事で、最後偉そうに書いていて本当に恥ずかしいですが…)

 

それでは改めて、ネタバレ前提で書いています。ご容赦。


前の記事で「事件の日付」を列挙していきましたが、
“事件になっていないイベントの日時”も含めて確認していってみると
美禰子が金田一耕助を誘導する役割をしているのに気付きました。

・9/28美禰子が金田一耕助に依頼。
・9/29砂占い。
・9/30玉虫殺害される。
・10/3妙海尼殺害される。←妙海尼殺害の動機は「捜査の手が伸びたから」となっているけれど、金田一耕助たちが西へ向かう事になったのは、英輔の遺書が天銀堂事件の取り調べの “前に” 用意されていたと、美禰子が金田一に言った事も大きい。

 

そして、密室トリックで自分が「英輔がぜんぶ行ったのだろう」と考えていた部分が、違っていたであろう事にも気付きました。

 

密室に残されていた血で描かれていた紋章。
金田一と菊江(玉虫の妾)のやり取り。


P134
「欄間からなかを覗いたんです。そしたらあのとおりの有様で…」
~中略~
「ところで砂鉢のほうもごらんになったでしょうが、あの紋章には気がつきませんでしたか」
「気が付きませんでした。あれ、欄間からじゃ見えないんじゃないでしょうか」
「ところが見えるんですよ。はっきりと」


見落としていました…つまり「血の紋章」は殺人事件が起きた後に、皆が室内に入ってから描かれたことになる。


そして、前の記事で何度も書いた


玉虫の御前殺害と密接な関りがある花瓶の上の帽子。
P98を振り返ってみると”作中の犯人”は全く気にしていない。
本当の犯人だったら、金田一が探す前に帽子をとってあげていただろう。


美禰子は花瓶のくだりの前に、金田一たちと二階の書斎に行った後、
P81「あたしお母さまにいってくるわ。なにも御心配なさるようなことはありませんて」
と一人で一階に行こうとしたのを金田一に止められ、
一彦と“作中の犯人”が代わりに階下に行っている。(p82)

そして、花瓶が倒れそうになったのを慌てて抑えたのは一彦と美禰子。(p98)


共犯者に成り得る人間が増えた…
そして“共犯に成り得るもの”というのは、モンタージュ写真でピックアップされた者達も「部分的な犯罪」にだったら手足にされるかも知れない、ということにも気付きました。
今のオレオレ詐欺などが「掛け子」「受け子」「出し子」などに犯罪行為を分けて行わせている事にも似たような…


混乱しました。一気に分からなくなりました…
色々なパターンを考えたのですが、最終的に「美禰子の性格」というものを考えると「こういう事なのではないだろうか?」という事が固まってきました。

 

正義感が強いけれど、感情的でもある。
だから“作中の犯人”が父を脅して色々させていると最初から思わされていたら、“作中の犯人”と普通には接触できないだろう。
そうなったら“作中の犯人”に疑惑の目が向けられてしまうかも知れない。
犯行を完了する前に“作中の犯人”が捕まってしまうのは、真犯人にとって都合が悪い。

 

以下、想像になってしまいますが、英輔は密室トリックに美禰子を利用するにあたって、こう言ったのではないだろうか?

 

天銀堂事件の犯人と偶然知り合い、毒で殺されそうになったのだけど、たまたま相手の方が毒を飲んで死んだ。
それで困って自分が自殺した事に見せかけた。
そのまま消えてしまおうかと思ったけれど、今まで虐められた恨みつらみが忘れられない。
だから少し脅かしてやりたい。
砂占いの時、この紋章を砂に押してくれないか?
砂占いが終わったら、花瓶にある像とすり替えて戻してくれ。
像をすり替え終わったら、ここにすぐ持ってきてくれ。

 

暗闇の中で、紋章を押す事は何とか出来るだろう。
しかし明るくなってから像をすり替えるのは難しいだろうし、その後、その像を英輔の元まで持って行くのはもっと難しいだろう。

像をすり替える事が出来なかった美禰子は、手ぶらで英輔の所に行っただろう。
そこでまた英輔が美禰子にこう言ったのではないだろうか?

このような事も、今の世の悪い事に通じるものがあるように思います。
最初から無理な事が分かっていながら、最初から”その次”を見込んで…というもの。

キャバクラでは売掛が行われないのに、ホストクラブでは行われていた。
最初から無理な事が分かっていながら、最初から”その次”をさせようと、やっていたものがあったのではないか?

 

それでは像をすり替えるのはお父さんがやろう。その時またちょっと驚かせたい。
騒ぎがあったら今度はこれで(スタンプのようなもので)砂占いのところに血の紋章をつけてくれないか?


金田一の推理の中で菊江(玉虫の妾)が指摘した、血の紋章トリックについてのおかしな点。


P428
耕助は直径三寸くらいのその円盤を、掌のうえでもてあそびながら、
「いうまでもなくこれはぼくが作ったもので、われわれが風神を発見したときには、ちょうどこれくらいの厚さだけ、台座の底が切り落とされていたんです。
だから事件が発見されて大騒ぎになったとき、犯人はこういう円盤をポケットにしのばせて駆けつけてきたというわけです。
そして、扉が打ち破られ、一同が死体のほうに気をとられているうちに、こっそり同じような品で砂のうえに、血の紋章を捺しておいた。
つまりそれが惨劇の第三幕目で、ここに完全な密室の殺人が出来あがったというわけです」

耕助はいくらか得意であったが、しかし、菊江はまだ承服しなかった。
「しかし、それじゃおかしいじゃございませんか。そうして台座の底が切りはなしてあったのなら、あの砂占いのとき、なにも風神と雷神をとりかえたり、あとでそれをまた取りかえたり、そんな手数のかかることをしなくても、よさそうなものじゃありませんか。その簡単な判こを使ったほうが、よほど、便利で、手数が省けると思いますけれど…」


英輔は美禰子に、わざと犯罪の片棒を担がせるような事をさせたのだろう…


 “作中の犯人”の遺書の中で、


P462
美禰子よ。
おまえもあの部屋の惨状はよく知っているだろう。しかし、そのときの玉虫公丸の負傷はそれほど大きなものではなかったのだ。ただ最初の一撃が面部をうったために、実際の傷よりも非常に多量の鼻血が流されたのだ。


P464
だから、あの晩、玉虫公丸を殺すということは、全然、私のプログラムにはなかったのだ。


美禰子に語り掛けているのは、殺人にまで至ったのは偶然だったのだと重ねて言っているのではないか…

 

そして、


P108
「伯爵の細い首に巻きつき、真結びに結ばれている。どうやら玉虫老人は、その襟巻によって絞殺されたもののようである。」


真結びに結ぶのは、遺体を持ち上げながらでは無理だ。(換気扇から手を突っこんでそのように殺害するのは無理だ)
※そして「真結び」という結び方について…「真結び」にするとしっかりと結べるのだけど、コツをつかむと簡単に解ける、というのも今回調べた事で分かりました。

 

密室トリック自体はやはり「上階と行き来が出来るようにしていた」のではないかと思われるけれど、その犯行は想像していたものより酷かった…


そして、次に金田一を関西へ誘導したこと。
父から天銀堂事件の冤罪を晴らしたい、と言われれば、美禰子は金田一にそれに沿った事を言うだろう。
(この後の妙海尼殺しの時も「トリック」があったと気付いたのですが、それは後述します。)

 

そして改めて、“作中の犯人”のものとされる「遺書」。
遺書には母の死も不確定事項として書かれていて(前日に母は亡くなっている)、
そして“作中の犯人”自身も青酸カリで“自殺”したのに遺書には


p466
私はこれからさきどうなるのか。つかまって絞首台へ送られるのか。
それともそのまえに、自分で自分の生命を絶つ羽目になるのだろうか。
だが、どっちでもよい。私はもうあまり長く生きていたくはないのだ。


不確定事項として書かれている…

 

英輔はこういう部分でも“作中の犯人”を騙して遺書を書かせ、そして殺したのだろう。そして、遺書の中の英輔による大きな騙しは利彦殺害の動機もそうだったのに気付きました。

 

遺書では


p465
間もなく部屋のなかの電気が消えたのだ。
それからあとのことを書くのはよそう。それ故にこそ、私はあの男をけだものと呼んで憚らないのだ。


とあったけれど、

 

実際は


P318
あれから奥様のお部屋で、一五分ほどお話になって、それからあっちへお帰りになったようでございましたが…


お手伝いのお種がそう証言していたのに、目賀博士と秌子の痴話げんかに意識が引っ張られてしまった…

 

そして、そうなってくると利彦殺害についての自分の↓この推理は間違っていた。


「替え玉B」がすべてが終わっていないうちに殺されたのは、英輔の指示に従わず、勝手な事をしたからではないだろうか?覗き見をして、英輔を脅し、絞め殺したのではないか?そして指輪を奪った。
しかしそれを英輔に見破られたのではないだろうか。


“そういう事が何も無かった”のに利彦を殺害し、秌子の指輪まで置いていくのは、英輔以外にいない。

 

しかしそれでは妙海尼の方は?
そしてこれも今の世の犯罪から類推するに「犯罪と思われない行為」だったら簡単に行わせることが出来るだろう、と考えました。

 

そう考えてみれば、
「10/3の妙海尼殺しは『英輔』」
(10/3に金田一たちが見つけた、石灯籠の「悪魔ここに誕生す」と青鉛筆で書かれた文字は英輔が書いたと思われる。(p240-241))


「10/4に目撃されたのは『替え玉B』(Bでさえないかも知れない…と思いましたが、それは“今の世”の在り様から考えてしまっているからで、この時代はそう簡単に見ず知らずの人を動かせないと思いましたので、やはり替え玉B)
(10/4に石灯籠の文字が消されていたのは「替え玉B」に消させたのではないかと思いました(p264、266))

 

そして、これは1/14~17の(天銀堂事件のアリバイでもあり、ニセの自殺の動機作りでもある)旅行も同様に
「1/14~15は替え玉B(15日に帝銀同事件)」
「1/16~17は英輔(16日に妙海尼の所に行っているように見せかけて入れ替わったと思われる)」
というような事だったのでは無いか?

 

自分自身は目立たずに目的を果たし、「身代わり」を「良く分からない事をしているけれど、それでお金がもらえる」程度で動かせる。
今の世のブラックバイトに通じる…
横溝正史先生がすべてを明らかにしなかったのが改めて良く分かる気がしましたし、今の時代は明らかにしても悪を増長させる事にはならない状態なのだ…というのも感じました

 

そして、前の記事で『「替え玉B」がすべてが終わっていないうちに殺された』と推理していたのもまったく間違ってました。

 

秌子が死ねば、自動的に”作中の犯人”が告白するように既に仕立てている。(遺書を書かせている)
遺書で「替え玉B」は“作中の犯人”が殺したことになっているし、そうしておけば「天銀堂事件」の方の捜査もこれで終わる。
つまり計画通り。

 

重犯罪はすべて英輔が行って、犯罪と思われない行為をそれぞれにやらせている。(すごく嫌ですが、金田一耕助も英輔の思惑通りに動かされてしまっていた…)

 

そしてこれだけ冷酷な英輔が一彦(“作中の犯人”の異母兄)に対してはフルートを教え、そしてこれも見落としていたのですが、英輔が蒐集していた蘭などを一彦がうけついでいる。(p164)

“作中の犯人”の遺書でも最後に


P466
一彦はおまえ(管理人注:美禰子)ほど強くなさそうだが、華子夫人(管理人注:「“作中の犯人”の父」の妻)がきっと支えになって下さるだろう。しかし…これは悪魔のいうことではなさそうだね。
美禰子よ、さようなら。
一彦よ、さようなら。


”作中の犯人”は
一彦に対しては「ぼくは君の異母兄なんだぜ」(p438)
美禰子に対しては「ぼくもいっぺんこの娘を妹と呼びたいんだ」(p440)
と言っていた。

 

それなのに遺書ではなぜ一彦に最後に語り掛けているのか?
そして「華子夫人がきっと支えになって下さるだろう。」という言葉…

 

一彦は英輔と華子夫人の子どもでは無いだろうか。
そして、そうなると、英輔はいろいろな事を知る前に華子夫人と?

 

血筋としては英輔の方が新宮家より上(p18~p19)。
もしかしたら”そういう意識”があったのだろうか?

 

前の記事の年表を、事件に関係があるような出来事をプラスして書き直してみます。

※年齢は「数え年」なのでそれで計算しています。またこの本では1月は「春」、5月は「夏」となっているようです。(旧暦の考えからそうなっているのか? 

http://accent.main.jp/calendar/kisetu.htm

 

・23年前 ”作中の犯人”と小夜子誕生。

(英輔と秌子がいつ結婚したのかは明確にされていませんが
「英輔氏の青年時代は窮乏のどん底にあり、ほとんど子爵の体面も保ちかねるくらいであった。そこを新宮秌子との結婚によって救われたのである。」p19と書かれています)

・20年前 一彦誕生。
・18年前 美禰子誕生。

・5年前 ”作中の犯人”がドイツ系の会社でタイプライターを覚えたと”作中の犯人”の遺書に書かれている。(p444)
・3年前の6月 ”作中の犯人”戦争へ。(戦地で指を失うp388)
・3年前の8月 小夜子自殺。

・2年前(終戦後) 玉虫と利彦たちが椿家にくる。
・2年前(終戦後) 英輔が美禰子にタイプライターを習う事をすすめる。

・昨年の夏 ”作中の犯人”が軍隊から復員し(p443)、小夜子の母の居所をおたまから聞く。(p388)
・昨年の夏 風神像が盗まれた。

・昨年の秋ごろ ”作中の犯人”が椿家にやってきた。
・昨年の10月「さる凶悪な変質者の殺人が行われた」p377

・1/15 天銀堂事件。(英輔が関西へ旅行をする。1/14~17の3泊4日。)
・2/1(くらいに)「悪魔が来りて笛を吹く」のレコード完成。
・2/20 天銀堂事件の取り調べ(しかしその前に「密告状」が警察に届けられている)
・3/1 英輔失踪。

・4/14 英輔の遺体発見。

・9/25 東劇で“英輔に似た人物”が目撃される。
・9/28 美禰子が金田一耕助に依頼。
・9/29 砂占い。
・9/30 玉虫殺害される。
・10/3 妙海尼殺害される。(同日、金田一と出川啓二が神戸須磨に着く(p200-201)。石灯籠に「悪魔ここに誕生す」と青鉛筆で書かれているのを発見する(p240-241)。)
・10/4 新宮利彦が殺害される。(夜7時から8時の間)(10/4朝9:30頃、神戸で“英輔に似た人物”が目撃されている(p347)。石灯籠の「悪魔ここに誕生す」と言う文字が石で削られて消されているのを11時半頃に宿に帰って来た出川刑事から聞く。(p264、266))
・10/5 朝1:00「悪魔が来りて笛を吹く」のレコードがかかり、新宮利彦の遺体を発見。
・10/8「替え玉B」殺害される。
・10/10 秌子が殺害される。
・10/11 ”作中の犯人”が殺害される。

 

そして、色々な事を振り返ってみると↓こちらの事件


p377
一年ほどまえにも、さる凶悪な変質者の殺人が行われた場所


やはり英輔の仕業だったのでは無いかと、
「替え玉B」が1/14~15の旅行で
「お顔の色もすぐれませんし、あんまり沈んでいやはりますので(p206)」
という状態で宿に現れたという所から思いました。

 

今の世でも行われている「アメとムチ」のムチ。
言いなりにさせる為に「ムチ」を振るう姿を見せる…そういう事をする者がいる…
しかし言う事を聞いていても結局殺される。しかも罪まで擦り付けられて。そういう事も、今の世でも行われてしまっている、というのも思います。)

 

英輔が「悪魔が来りて笛を吹く」の曲を作り始めたのはいつだったのか…
英輔は、新宮家の汚点の象徴として”作中の犯人”の事を作り上げていったのではないかと思いました。
(“悪魔”と名指しし、苦しめて、罪を擦り付けるだけ擦り付けてから、殺している)
(「悪魔が来りて笛を吹く」の曲は”作中の犯人”を指し示していた)

 

10/4、新宮利彦は秌子と15分くらい話して戻ったようだと、お手伝いのお種が証言していたのに(P318)、”作中の犯人”の遺書の中では全く違うように描かれていた。
(”作中の犯人”と新宮利彦に同じアザがある事から、その当時、そのような事があった可能性はかなりあると思いますが…)

 

しかし“作中の犯人”の父親は実は明らかにはなっていない。


P449
その子の父については、伯爵も付き添いの信乃も、一言も語らなかったけれど~中略~辰五郎には、それが誰の子であるか察することが出来たのである。


辰五郎、つまりおこまの父親がそう思っただけ。
玉虫の可能性もあるのではと思います。(遺伝というのは、そういう形で発現する場合もあると思います)

 


p44
「跡取りのほかにもたくさん子供があるんですけれど、大伯父(管理人注:玉虫)というのがとても我の強い、わがままなひとですから、子供たちの誰ともあわないんです。それに反して母(管理人注:“作中の犯人”の母)はこのひとをとても尊敬しているものですから」


P259
ええ、そりゃ外国にも例があります。親父と通じ、兄貴を恋人にしたなんて物凄い女もある。


“作中の犯人”の母の「実父」は、“作中の犯人”の母が15歳の時に亡くなっていて(p43)玉虫が大きな影響力を与えていただろう事は感じとれる。


「親父と通じ、兄貴を恋人にしたなんて物凄い女」という表現。
実際は「寄ってたかってオモチャにされた」のではないか?とも思います。

 

 

そしてなぜ美禰子に犯罪の片棒を担がせたのか?
英輔にとっては汚い血が混じっている娘だったからかも知れない。

 

美禰子は英輔にこう言われたと


P373
「いまこの屋敷にいるたれとも結婚してはならぬ」


 

金田一にそのような話をしていた時、


P373
「あたしの配偶者になりそうな年頃の青年といえば、一彦さんしかございませんものね」


”作中の犯人”のことはまったく抜け落ちていた。

 

この時の美禰子はまだ”作中の犯人”の事情は知らなかったのに。
(”作中の犯人”の遺書には、秘密を他にもらさないという事を子爵に誓わされ、約束を厳重に守ってきたと書いてあるp453)

 

これは自分たちは貴族であるという差別意識からだったのか?それとも一彦しか目に入らないような気持ちがあったからだったのか?

 

そして、


P469
「あたしたち、どんなにせまい家でもよいから、明るい、よく陽の当たる場所に住んで、身にしみこんだこの暗いかげを洗いおとしましょうねえ」


本当のことが分かっていないから”作中の犯人”のことを何とも思っていないのはあるだろう。(注意深ければ、”作中の犯人”が美禰子の罪を被っていたこと(砂占いで紋章を押したこと)などに気付いたろうけれど…でもそういう事も「父が懇願したのだろう」と思ったのかも知れない)

しかし、父が言った事も聞き流していないだろうか。
なぜいつまでも一緒にいようとしているのか?

 

美禰子が自覚なくしてしまっていること、
大事な事に気付かなかったり、大切に出来ていないこと、

自分自身の反省から思う事ですが、こういう所に気付くのが大事なのだろうと思うのがあります。

 

そして、最初に戻っておこまのこと。
「自分は罪業のふかい身」p295
※“作中の犯人”と娘の仲を知らなかった頃で、娘も奉公先から実家に遊びに来ていたりしていた頃。

なんで被害者がこんなに苦しまなければならなかったのか?


おこまが出来る事はなにがあっただろう…
(以下、蛇足が過ぎるかも知れません。小さめな文字で書かせて貰います。)
殴ってくる亭主に「承知で嫁に貰ったんだろ!」ということで、マイナスばかりじゃないだろと気付かせたら、亭主も身を持ち崩して破滅していかなかったかも知れない。

 

いつまでも金を無心する父親に「いい加減にしてよ!」と言っていたら、父親も金蔓にする為に秘密にしていたんだから、金蔓に出来ないとなったら、おこまにもっと早く秘密を言っていたかも知れない。

 

周りも、コブ付きで嫁になったんだからぶたれてもしょうがない、なんてそのままにしていなかったら、おこまにも子供たちにも陰が付きまとわなかったかも知れない。

 

そして”作中の犯人”が言うように、子供たちにある程度本当の事を早く打ち明けていれば良かったかも知れない。(あまりに酷い事なので、全ては打ち明けられないにしても…)


たらればだし、書くだけなら偉そうに書けるけれど、そんな事が実際にあったら自分だったらもっと酷い選択をしてしまったかも知れない。
それでも、そういう可能性も思います。


そして小夜子が言った「あたしは畜生道におちいった p409」
知らなかった小夜子…そして本当はどうだったのかさえ分からない…

 

以下、本筋とは関係ないですが、今の時代、考えなければいけなくなっているかも知れないと思うものがあって、書かせて貰います。

 

畜生道の説明で言われる「互いに殺し合いや食い合いをして生きるのが畜生」
ちくしょう!畜生の意味…仏教の畜生界・畜生道は恐怖の競争社会

「動物」は他の生き物を食べるけれど、ずっとそうしている訳では無い。
ずっと殺しあっている訳じゃない。(「動物」と言っても、それぞれでもかなり違う)
「畜生」と「動物」、混同してしまうような所があるけれど、違う意味があるように思います。

 

そして、いま畜産の現場で動物が劣悪な環境にいるのを知って驚いています。
もっと大事に育てているとばかり思っていたので…

 

そして、畜生道を含む六道輪廻について、調べてみると書いてある事がバラバラで、中にはまったく罪がないように思える人が畜生道に落ちてしまうような説明もあって驚きました。

 

上述の畜生道の説明で使わせて貰ったのは、
検索上位に出て来たものがそういう説明だったのでピックアップしたのですが

 

↓以下のものは「7~20位 ※wikiは3位」くらいのところで出てきたもの 
https://intojapanwaraku.com/culture/12850/
https://jpnculture.net/rokudou/
https://ikikata.nishinippon.co.jp/term/839/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%9C%E7%94%9F
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14261359539?fr=sc_scdd&__ysp=55Wc55Sf6YGTIOS7j%2BaVmQ%3D%3D

 

それなので、はっきりは分からないのですが、ただ、良くない、戒めなければいけない、と思う事はある。
しかし小夜子が「あたしは畜生道におちいった」と言うに至った、そういう関係性を小夜子は知らなかった。小夜子の心はそういうような事はしていなかった。
それでも苦しんでしまう事がある。
知らなければ幸せと、言ってられない事もある。

 

今の時代「精子バンク」「代理母」そして「卵子提供」というのも行われるようになっています。

精子」を提供するだけなら、1,000人もの子供を作るのも作るのも可能…

悪魔が来りて笛を吹く』によって、そういった事を考えなければいけなくなっているんじゃないかという事にも気付かされました。

『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察 1⃣ こちらは2度目に読んだ段階※アップ前に少し修正しています。

~ネタバレ前提で書いています。ご容赦~

まず最初に普通に出来るなら本を読んで頂きたい!と思います。(お子様向けではありませんので、そこは気を付けて頂ければと…)
ドラマ化、映画化されていますが、原作とは話が変わっていますので注意してください。『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察  きっかけは、「(黙示録で)天使がラッパを吹く」というものが「もしかしたら天使がラッパを吹くのは “悪魔が現れたぞ” という事でラッパを吹くのかも知れない」と思った事から

 

以下、自分がヒントだと思ったところをあげていきながら、真犯人を考察していきます。(推理を間違えていた所もあります。ヒントや本と照らし合わせながら「ここはどうなんだろう?」と考察しながら読んで貰えれば何よりです。)

 

 


p9
年代からいうと、これは「黒猫亭事件」と「夜歩く」の事件のあいだにはいるべきもの


これはヒントになっていたのだと、後になって思いました。

〇「黒猫亭事件」について(こちらのサイトから引用→http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kokugo/nonami/99soturon/miyamoto/28kurone.htm
金田一耕介の手紙から物語は始まる。
「顔のない死体」が発見される事件は、隠されている謎のパターンが決まっていると言うのである。
死体と思われる人物と、犯人の入れ替わりである。』
自分が死んだ、殺されたということにしたかったのだから、出来るだけあちこちに、人殺しがあったという証拠を残す必要があった。
『「どんなトリックが隠されているのか?」という疑問の答えは、一人二役
『計画を知らされてはいなかっただろう。』

 

〇「夜歩く」について(こちらのサイトと→http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kokugo/nonami/99soturon/miyamoto/28kurone.htm

 こちらの口コミから要約させて貰いました→http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kokugo/nonami/99soturon/miyamoto/28kurone.htm

殺されると知らず、犯罪の片棒を担がされる共犯者。
容疑者と見られた人物たちは全て真犯人に殺されている。
信用できない語り手。

 

 


P20
英輔氏が家を出てから、四十五日たった四月十四日、信州霧ケ峰の林のなかで、男の死体が発見された。
服装持ち物その他から、かねて手配中の椿英輔氏と判断された


「椿英輔」は帝銀事件 - Wikipediaをモチーフに『悪魔が来りて笛を吹く』の中で描かれている「天銀堂事件」の容疑者の一人だった。
(現実の帝銀事件では、犯人は「この付近で集団赤痢が発生したから、この予防薬を飲んで欲しい」と言って青酸カリを飲ませた

 

 

45日たってから見つかっている事に着目しつつ↓


P21
驚くべきことには、周囲の状態や医者の検屍によると、英輔氏は三月一日家を出ると、すぐその足でその場所へやってきて、青酸加里を服用したらしく思えるのに、死体はほとんど腐敗していなかったのである。

むろん、生きているときから見ると、いくらか相好はかわっていたものの~中略~おそらくそれは寒冷な、その土地の気温のせいだったろうといわれている。


なぜ三月一日に亡くなったとしているのか?というのが奇妙だったのですが、服装が綺麗だったからなのかなと考えました。


しかし、それは計画的に行えば、そう見せかける事が簡単に出来る。
“天銀堂事件”のモンタージュ写真によって、身代わりを見繕う事が容易に出来たのもある。

物語の中でも、モンタージュ写真で身代わり・替玉を見つけ出す事が出来た可能性が書かれているので抜粋します。(”当時と今とは違う状況”があったのも、P368から読み取れます)

 

 


p367
(管理人注:金田一の言葉)
「替え玉なんてものはそう容易に見つかるものじゃありませんからね。
ところが椿子爵の場合には、お誂えむきにあのモンタージュ写真というやつがあった。

警部さん、あのモンタージュ写真は、こんどの事件の犯人のために、椿さんに似た人物を、日本中から募集してやったみたいな結果になっているのかも知れませんよ。」


P368
(管理人注:事件を捜査している警部の言葉)
「そうするとたれかが…つまり今度の事件の犯人が、天銀堂事件の容疑者のむれから、いちばん椿子爵に似ている人物を物色して、そいつを子爵の替え玉に使っているんじゃないかというんですね」

(管理人注:金田一の言葉)
「ええ、そう。あのモンタージュ写真に似ている人物がひっぱられるごとに、新聞がその男の住所氏名を発表しましたからね、あっはっは、だから警視庁と新聞がよってたかって、この事件の犯人のために、椿子爵の替え玉を物色してやったみたいなもんかも知れませんよ。」


モンタージュ写真から物色された替え玉が、英輔として殺されたのではないか?

そして替え玉は、このモンタージュ写真から物色された「替え玉A」以外に
替え玉B」(これはもっと前に真犯人が偶然知り合ったものと思われる、“天銀堂事件の犯人”として殺された飯尾豊三郎)がいたのではないかと思いました。

(「替え玉B」飯尾豊三郎、これについては後述します)

 

 


P29
(管理人注:英輔の遺体を確認した、英輔の娘の美禰子の言葉)
「あたしはそれを父だと信じます。いまでもそう信じています。

しかし、腐敗していなかったとはいえ、顔かたちは、やっぱり生前とはだいぶちがっていたんです。
それは自殺するまでの苦悩や煩悶、薬をのんあだとの苦痛のためだとおもいますが、そのときも、誰かがひとが違っているようだと呟いたのをおぼえています。

あたし自身もそう思ったのです。」


この段階では「匂わせているだけかな」と思っていました。

 

 


P34
(管理人注:英輔の娘、美禰子の言葉)
「実際、第何回目かに修正された、天銀堂事件の犯人のモンタージュ写真は、父に生きうつしでございました。それは、不幸なことでした。
しかし、…しかし…警察が父に眼をつけたきっかけは、そのためではなかったのです。誰か父を警察へ、密告したものがあるのです。それは誰だかわかりません。
しかし、ただわかっていることは、そのひとは、うちの者にちがいないということです。
同じ邸内に住んでいる、椿、新宮、玉虫の三家族のうちの、誰かにちがいないということです」


”作中の犯人”の遺書には自分が密告したと書いてあったけれど、
後になって考えてみると警察の邪魔が入るのを恐れて、飯尾豊三郎(替え玉B)を使って「妙海尼」を殺したと遺書で書いていた”作中の犯人”が、なぜ “復讐をはじめる前に” 警察を呼ぶような事をしたのか?と思いました。

(天銀堂事件のモチーフとなった帝銀事件 - Wikipediaは、天銀堂事件とは別種の謎がありましたので、別記事で取り上げていこうと思います。)

 

 


P35
(管理人注:英輔の娘、美禰子の言葉)
天銀同事件が起こった当日、即ち一月十五日の父の行動について~中略~あたしたち誰にもわからなかったのです。いえ、いまでもわからないのです。
~中略~父は一月十四日の朝、箱根の蘆の湯へいくといって家を出ているんです。
~中略~十七日の晩にかえっている
~中略~ところが警視庁で調べたところが、父は全然、蘆の湯へはいっていなかったのです


後になって、英輔は淡路島に一月十四日から十六日まで泊まっていたと判明しましたが、淡路島行きは「飯尾豊三郎(替え玉B)」を使ったのではないか?と思いました。

 

作中では”作中の犯人”と偶然知り合った飯尾豊三郎(替え玉B)が天銀堂事件の犯人となっているけれど、
本当は、英輔が天銀堂事件を行い、偶然知り合った飯尾豊三郎にはただ旅行に行かせただけではないか?

 

作中では、飯尾豊三郎(「英輔と似た人物」であり×しかもたまたま「天銀同事件の犯人」×その上「数カ月の期間で”作中の犯人”と知り合ったとなっている」)は”作中の犯人”と偶然知り合ったとなっているけれど(p450、454)

 

本当は英輔が「英輔と似た人物=飯尾豊三郎」と偶然知り合ったのではないか?

“プロバビリティー(p119でヒントだと思われる部分で使われていた言葉ですが、「何かが起こりうる、あるいは、ある状態になりうる見込み」という意味)”から考えると、その可能性の方が高いのではないだろうか。

 

 


P142
「(管理人注:事件が起きて邸内を調べていた刑事が見つけた)こんなものが庭の奥の防空壕のなかに落ちていたんですがね。」


P143
「これは椿子爵のフルートのケースに違いないというんですね」


P144
「ケースの裏にはってあるきれのしたから、…こんなものが出てきたんだ」
警部がつまみ出したのは、ダイヤモンドをちりばめた黄金製の耳飾りの片方だった。


P145
「正確なことは沢村君の報告をきかんとわからんが、天銀堂事件の際の盗品目録のなかに、ダイヤをちりばめた耳飾りいうのがあるんです。しかも犯人はよほどあわてていたものと見えて、一対の耳飾りのうち片方だけを持っていったんです」


落ちていたのは、天銀堂の盗品だったのだけど、
なぜそれだけを、そんな所に隠しておいたのか?”

 

”作中の犯人”はそのことには触れていなかった。
(天銀堂の盗品自体は、”作中の犯人”が飯尾豊三郎(替え玉B)から取り上げたと遺書に書いてあったけれど、なぜ、それだけを分かりやすくそんな所に隠していたのか?

 

なぜ、天銀堂事件の証拠を見つけさせたのか?
それは、天銀堂事件の犯人を「飯尾豊三郎(替え玉B)」だと確定させ・それで捜査を終わらせて「替え玉A(モンタージュ写真から見繕った犠牲者)」とすり替わった後の人生を安心して過ごす為、ではないか?

 

そしてまた、「一対の耳飾りのうち片方だけを持っていった」という事からも、
天銀堂事件は飯尾豊三郎(替え玉B)ではなく、
英輔自身が行ったのではないかと思いました。

 

 


P154
(管理人注:英輔の娘、美禰子の言葉)
「あれは去年の夏でしたか、三島さんがまだこの家へいらっしゃらないまえでした。あの晩、あの部屋に泥棒がはいって、そこにあった置時計やなんかといっしょに、風神も雷神も持っていってしまったんです。ところがそれから二、三日たって、雷神のほうだけがお庭のすみに捨ててあるのが発見されたんです。」


事件の重要なパーツとなる風神・雷神像。
作中の犯人”が、まだ家に入ってこないうちに盗まれている。

 

 


P157
(管理人注:金田一の言葉)
「タイプライターが、あるんですって?この家に…そして、いったい、どなたがおやりになるんです」

(管理人注:英輔の娘、美禰子の言葉)
「あたしがやるんですわ。先生、どうしてそんな顔をして、あたしをご覧になるんですの。あたしがタイプを打っちゃいけません?終戦後父がすすめてくれたんです」


天銀堂の密告者が密告状をタイプで打っているから、つきとめることが難しいとP149に書いてあった。
そのタイプライダーを家に置くように手引きしたのは英輔。
作中の犯人”がいろいろな事を知る前に。

 

 


P164
(管理人注:金田一の言葉)
「この春、一月のことですがね。椿子爵(管理人注:英輔)は旅行されたでしょう。その旅行からかえって間もなく、君に(管理人注:東太郎に)宝石の売りさばきについて相談されたということだが、ほんとうですか?」
東太郎は顔色をくもらせて、
「そのころなら、あの当時も、警視庁へ呼び出されて訊かれたんですが、たしかにそんな御相談がありました。しかし、子爵は結局お売りにならなかったんです。奥さんがご承知なさらないからって」


金田一耕助はその前に美禰子(管理人注:英輔の娘)から
「母に宝石を売らせようなどということは、駱駝が針の穴をとおるよりも不可能なことです。」
という話(P156)を聞いている。

 

売りさばこうと思った宝石は天銀堂事件で得たものでは無かったか。

 

 


P186
(管理人注:金田一の言葉)
「警部さん、このローマ字の文章(管理人注:密告状)、全部YとZを打ちちがえていますね、これはどういうわけでしょう」~中略~YとZを紫鉛筆で訂正してあるのであった。


後に、タイプライターのキーの配列がスイスとドイツで違うという事から、
作中の犯人”がやったという証拠となったYとZの打ち間違い。
タイプライダーを家に置くように手引きしたのは英輔。

 

 


P209
おかみは番頭の持って来た宿帳をひらいて、ふたりの前に押しやりながら、
「これはあのかたが御自分でお書きにならはった字で、たしか筆蹟鑑定とやらでも、椿さんの字にちがいないいうことになったと思います。」
~中略~
金田一耕助も同じひとの遺書で見おぼえのある、椿子爵の筆蹟にちがいないように思われる。


英輔への天銀堂事件の容疑が晴れる重要なポイントですが、
英輔自身が「飯尾豊三郎(替え玉B)」に書かせたものを自書に混ぜ込んでいたらどうだろう。

 

そして、秌子の意外なエピソードとして字が上手いとあったのですが、

p314に


秌子は机にむかってお習字をしている、秌子はこういう女だが、たいへん字が上手で、退屈なときにはいつも手習いをするのである。


「飯尾豊三郎(替え玉B)」も秌子に性格的に似た部分があるように描かれている事から(後述します)、字はうまく書けていたのではないか?という事も思われました。

以下、秌子と飯尾豊三郎(替え玉B)の性格的に似た部分をあげてみます。

 

秌子について


P46
(管理人注:英輔の娘、美禰子の言葉)
「母は無邪気なひとなんです。赤ん坊みたいなものです。しかし、その母に非常に大きな影響力をもっているのが玉虫の大伯父なんです。大叔父のすることなすことはすぐ母にひびきます。
その大伯父が父を犬か猫なみにしか扱わないものですから、母もつい、父を無視する習慣がついてしまって。…母はいま、それを後悔しています。いいえ、後悔というよりも恐れているんです。
父が復讐にかえって来やあしないかと、子供のように怖れおののいているんです。」


P393
(管理人注:目賀博士(英輔の自殺の一週間後、玉虫の媒酌によって英輔の妻と内祝言を挙げた))
「秌子には法も通らんのじゃ。そのことは警部さんにもおわかりじゃろ。あれはな、法の外に住んでるんですわい」


 

飯尾豊三郎(替え玉B)について


p450
(管理人注:”作中の犯人”の遺書に書かれている「飯尾豊三郎」像)
こいつは、まるで道徳的に不感症のような男であった。
この男にははじめから善と悪との区別がないのだ。
それでは、特別に強烈な悪の意思でも持っているかというと、そうでもなかった。
風貌は穏和で、性格にもどこか眠り男のような頼りないところがあった。


 

 

そして飯尾豊三郎(替え玉B)について描かれている部分で、真犯人との繋がりを感じさせた部分が


P456
(管理人注:”作中の犯人”の遺書に書かれている「飯尾豊三郎」像)
バタヤ部落(管理人注 バタヤ部落について…在日韓人歴史資料館ホームページ こういう歴史もあるんだという事も思います)の掘立小屋の衆落のなかにただひとりで住んでいた。


そういうところに住んでいながら、かれはいつも身だしなみよく、上品に取りすましているうえに、わりに金回りがよく、また金放れも悪くないので、部落の連中から先生と呼ばれて、一目おかれていた。


↑飯尾豊三郎(替え玉B)がこのような生活が出来ていたのは、英輔が金を渡していたのではないだろうか?
「すぐれた風采と、物に動ぜぬ態度」というのでもって、人をペテンにかけて金を稼いでいたのだろうと”作中の犯人”が遺書で評しているけれど、そのような行き当たりばったりで常に金回り良くしていられるとは思えない。
(作中で同じような金の使い方をしていた植辰は、玉虫を金蔓にしていたp265)

英輔はずっと前から「替え玉」による計画を考えていたのではないだろうか?

 


そして、警察が妙海尼(事件のカギを握る重要人物、殺害された)の行方を探っていた時


P267
もういちど、おたまや妙海尼のことを聞いてみました。それについちゃ、別に新しい事実も聞き出せなかったんですが、わたしがいく一時間ほどまえに、やっぱりおたまのことを聞きにきた男があるそうです


という証言が出ている。
そのおたまのことを聞きにきた男は「英輔に似た男」だったという。

”作中の犯人”の遺書によると「妙海尼を殺す指示を与えた」というだけなのに、なぜ無駄にそんな事をしたのか?(犯人はすでに妙海尼がどこにいるか知っていたので、居場所を探る必要はなかった)

 


そして、飯尾豊三郎(替え玉B)が殺された場所は


p377
一年ほどまえにも、さる凶悪な変質者の殺人が行われた場所


でもあった。

英輔は終戦(昭和20年)後、同居して苛め抜かれた。(p18)
一年前は昭和21年。

 

英輔は天銀堂事件を起こす前に、すでに罪を犯していたのではないだろうか…
ただこれは天銀堂事件のようにハッキリした事は何もない。
ただ、”作中の犯人”と違って怨恨のない者を天銀堂事件によって殺していると思われる。

同居して苛め抜かれたけれど、離婚という事も出来ただろうに…(“物語”ではありますが考えさせられます)


そして、玉虫の御前と秌子を殺害したのも英輔ではないか?
玉虫の御前殺害と密接な関りがある花瓶の上の帽子。
P98を振り返ってみると”作中の犯人”は全く気にしていない。
本当の犯人だったら、金田一が探す前に帽子をとって金田一に渡していただろう。

 

そして、秌子殺害についても、”作中の犯人”が死ぬ前日(午後6時頃)に秌子は死んでいるのに
「母を殺害する準備を完了した」
と遺書には書かれている。
(”作中の犯人”が死んだのは、母が亡くなった翌日の午後7時過ぎ)
(警察へ送った天銀堂事件の密告状ではYとZを紫鉛筆で訂正しているのに)

 

一番憎かっただろうと思う父の事さえ、偶発的な怒りにかられて殺したように思われる”作中の犯人”が、計画的に母を殺すとは思えない。

ただ、秌子殺害については「”作中の犯人”の遺書」にあるように真犯人にも迷いがあったのだろうと思う。

 

遺書に書かれている事ではないですが、
金田一耕助が秌子とはじめて会った時の描写が印象的なのであげておきます。


P57
秌子はたしかに美しい。しかし、それは造花の美しさである。
絵にかいた美人のようにむなしいものであった。
秌子は満面に笑みをたたえている。
その笑顔はかがやくばかり美しい。
しかし、それはそうしろと教えられたような笑いかただった。
秌子の瞳は耕助の方へ向けられている。
しかし、その瞳はもっと遠いところを見ているような眼つきだった。


…間違いに気付きました。
”作中の犯人”の「父」を殺したのは10/4の午後7時から8時の間(p327)。
そしてその死体が発見されたのは10/5の深夜1:00頃(p336)、蓄音機のフルートの音色によってだった。

 

風神像で殴られていたけれど、死因は絞殺(p329)。※殴られてから絞殺されたとあるけれど。

 

そして、飯尾豊三郎(替え玉B)が殺されたのは10/8。
まだすべてが終わっていないうちに殺されたのはなぜか?(秌子が殺害されたのは10/10。”作中の犯人”が亡くなったのは10/11。秌子を殺害する前に殺したのは何故か?)

 

10/4の朝9:30に英輔は神戸で目撃されている。だから10/4の殺人は行えなかっただろう。(p 347)
しかし、10/5の深夜、レコードをかけることは出来ただろう。

 

「替え玉B」がすべてが終わっていないうちに殺されたのは、英輔の指示に従わず、勝手な事をしたからではないだろうか?覗き見をして、英輔を脅し、絞め殺したのではないか?そして指輪を奪った。
しかしそれを英輔に見破られたのではないだろうか。

 

「替え玉B」が殺されたのは10/8。
秌子が殺害されたのは10/10。
”作中の犯人”が亡くなったのは10/11。

 

英輔は”作中の犯人”に遺書を作らせてから、「替え玉B」を殺したのではないか?
万が一、出入りする所を見られても大丈夫なように、全てを整えてから「替え玉B」を殺したのではないか?

玉虫殺害の前にあった、砂占いの場面に戻ります。


p73
秌子や東太郎(東太郎のことはよく知らないから)は別として、美禰子や一彦、とりわけさっきクスクス笑っていた菊江などが、蟇仙人の呪縛にひっかかろうとは思えなかった。
それにもかかわらず、かれらも神妙に、放射竹のはしに指を3本おいたまま、目を半眼にとじている。


”作中の犯人”はすんなりと砂占いに参加していた。(暗示にかかりやすいことを示唆しているように思います)

 

 


p71
いまや無我の域に入りかけているらしかった~中略~指は、いま、かすかに振動している。


そしてその砂占いで文字を描くのは「長さ三センチばかりの金属製の錐」(p65)
この占いを行う直前、何者かが2階を歩いていた。(p62)
そして、占いを行った部屋は英輔のアトリエだったところ。(p64)
英輔は上階から「錐」を操作したのではないか?

再掲になるけれど、
玉虫の御前殺害と密接な関りがある花瓶の上の帽子。
P98を振り返ってみると”作中の犯人”は全く気にしていない。
本当の犯人だったら、金田一が探す前に帽子をとってあげていただろう。


そして密室の謎。上階から下に降りる事が出来るようになっていれば、簡単に実現できる。
ドアの上の換気窓から人を絞め殺すよりも(”作中の犯人”の告白と、金田一の推理では、”作中の犯人”が「台」をわざわざ部屋の前に持って行って、そして換気窓から玉虫を呼び寄せて椅子に上がらせて絞め殺したとなっているけれどp427)
犯行が実現しやすくなる、「プロバビリティー」ではないだろうか。
(そもそも室内から見ると、椅子→垂れ下がったカーテン→扉 という状態だったのが目賀博士の供述p127から浮かび上がってくる。ドアの前に椅子は無かった。カーテンが遮っていた。「天井からたらされた、重い真っ黒なカーテン」p64)

 

そして、「遺書」に書かれているのは、元々は英輔が”作中の犯人”に自分の動機と犯行として語ったもので、それを元に”作中の犯人”に罪を着せる為に書かせたように思えました。

「遺書」には事実と違う事がいくつも書いてあった。

 

フルートは英輔が用意したのだろうし、そのフルートに青酸カリを仕込んでおいて、”作中の犯人”に吹かせたのだろうと思われたのもありました。


P472
笛を吹き終わると同時に、この世から去っていったのであった。


 

以上、歴史が縫い付けられていると思って丁寧に読んでいく内に、ヒントが散りばめられているのに気付いたので書いてみましたが

 


p377
一年ほどまえにも、さる凶悪な変質者の殺人が行われた場所


英輔がやったのではないかと思いましたが果たしてどうだったか?
疑惑を感じるけれど、それだけで判断してはいけないと思う。しかし疑惑は残る…

 

そして、一彦や美禰子の父についても
”作中の犯人”が一彦に対しては「ぼくは君の異母兄なんだぜ」と言い(p438)
美禰子に対して「ぼくもいっぺんこの娘を妹と呼びたいんだ」と言った事(p440)

 

作者がこのように書き分けたのは、”作中の犯人”に対して英輔がそのように言ったのだろうと考えるけれど(美禰子については妙海尼は知るすべがないと思うけれど)、これもどうだったろうか…
密室の謎、砂占いの謎もどうだろう…

 

ただ「悪行」というものを描いていたと考えると、一彦に対して行ったことの可能性は書いておかなければいけないように思う。
「フルートを吹く」という言葉には、隠語がある。(女性が言葉で辱められる事が多いようだけれど)

 

『「大きな罪」と思わせるものを騒ぎ立てる事で、被害を訴える声をかき消す』


物語でありますが「冤罪」というもの(同時に、現実で犯罪を追っていくのは難しいことも、考えをめぐらせる事で痛感しました)、
悪行というもの(ヒントから導き出される事によって、悪いことというのはどういうものか?違う角度から見せられたように思いました)も考えさせられました。

 

そして、ここまで考えてみると金田一耕助はもしかしたら「”作中の犯人”の遺書」を事前に見せられていたのではないか?というのも思いました。

 

金田一耕助が間違えた、密室の矛盾。

 

以下は自分の想像が過ぎるかも知れませんが、想像で書いてみます。

真犯人は”作中の犯人”に遺書を書かせるとき泣きついたのだろう。
(”作中の犯人”の遺書を読んで、読者も「本当の悪魔は違う」と思った人も多かった。
同じように”作中の犯人”も思わされたのではないかと思う。)
そして金田一耕助に事前に遺書を見せるように促した。

 

金田一耕助は、いろいろな事を察したのではないか。
美禰子、一彦、一彦の母、そして”作中の犯人”も更に傷付く真相があること。
4人を人質にとられているような状態で、真犯人の策に乗らざるを得なかったのではないか。

 

矛盾を含んだ遺書をそのままにしておくことで、未来で解明される事に希望を託して。
(真相を明らかにしても真犯人は捕まえられない可能性が高く、4人のうち3人は「大事件の犯人の家族」となって、追い詰められて亡くなってしまうかも知れない。残りの一人、”作中の犯人”にとっても、それは避けたい事。)


そしてここまで思って、もう一度、本を読み直してみると
悪魔が来りて笛を吹く」のレコードが事件の始まる前に用意されていた事
(p10「失踪する一か月ほどまえ(管理人注:失踪日は3/1なので2月)に作曲を完成、レコードに吹き込んだものであった」)
(1/15に真相を知ったように見せかけているけれど、つまり違う)

 

その曲は”作中の犯人”を示唆するように作られていた事…
つまり、最初から狙ってやっていた。


そして、そう考えると、
・昨年の夏 風神像が盗まれた。(同じころに”作中の犯人”が妙海尼から話を聞いたとなっている)
・昨年の秋ごろ ”作中の犯人”が椿家にやってきた。
・昨年の10月「さる凶悪な変質者の殺人が行われた」p377
・1/15天銀堂事件。
・2/1(くらいに)「悪魔が来りて笛を吹く」のレコード完成。
・2/20天銀堂事件の取り調べ(しかしその前に「密告状」が警察に届けられている)
・3/1英輔失踪。
・4/14英輔の遺体発見。
・9/25東劇で“英輔に似た人物”が目撃される。
・9/28美禰子が金田一耕助に依頼。
・9/29砂占い。
・9/30玉虫殺害される。
・10/3妙海尼殺害される。
・10/4新宮利彦が殺害される。(夜7時から8時の間)(10/5朝1:00「悪魔が来りて笛を吹く」のレコードがかかる)(10/4朝9:30頃、神戸で“英輔に似た人物”が目撃されている p347)
・10/8「替え玉B」殺害される。
・10/10秌子が殺害される。
・10/11”作中の犯人”が殺害される。


美禰子は真犯人からそれと分からず指示・誘導を受けていたのではないか?(美禰子という名前はどういう思いで名づけられたのか…)

 

「未來に希望を託して」というものも託される方はたまったものではない、というのも思わされました。
託すばかりじゃなく、今の世で出来る事は解決していかなければと思って書きました。
(ただ、しんどくても学ばなければいけない事もあると思いましたし、そしてどうしても「出来る事」「出来ない事」がある。
横溝正史がその時代に出来た事はこういう事だったのだと思います。
自分も出来る事、出来ない事がありますが、出来る事はやっていこうと思います。)

『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察 きっかけは、「(黙示録で)天使がラッパを吹く」というものが「もしかしたら天使がラッパを吹くのは “悪魔が現れたぞ” という事でラッパを吹くのかも知れない」と思った事から

コロナ禍で
「(黙示録で)天使がラッパを吹くと災害が起きていく」という話が
ネットのあちこちに書き込まれているのを見かけたのですが、

 

ふと「もしかしたら天使がラッパを吹くのは “悪魔が現れたぞ” という事でラッパを吹くのかも知れない」と思って

(人間は、後先を間違えてしまう時が往々にしてある)

それで横溝正史の「悪魔が来りて笛を吹く」というものを思い出して、よく読んでみると…「真犯人」はこの人物では無いか?というのが浮かび上がってきました。

 

話の筋と関係ないように見えるものも一つ一つを調べていくと
「後先がどうなのか?」
という事を指し示しているように思われたのもありました。

 


コロナ禍初期、ネットの書き込みで「これは黙示録で描かれている○○」としているものを非常に多く見かけたのですが、「そう感じる」事も沢山あると思いますが、しかし「それが本当にそうだったか?」振り返ってみると違っていたと分かることが色々あると思います。

 

自分が思った黙示録の天使のラッパについても…冒頭に書いたような事は黙示録の中で書かれている事とは違います。

 

キリスト教の終末観として上げられる事が多いヨハネの黙示録

ヨハネの黙示録の前にパウロが違う形の終末信仰を始めていたそうです。


 

横溝正史の思いを、受け止めきれていない所もあると思いますが、
(推理して、間違って、後から修正している所がかなりあります)
自分だけでなく考えた方が良いのじゃないかと思って公開させて貰いました。

 

↓こういった事を懸念しているのもあります。(『悪魔が来りて笛を吹く』についても万全な推理は出来なかったので、自分だけではなく考えて貰えればと思っています)

ルワンダの虐殺、ガザの悲惨な現状、そして…日本が第三次世界大戦の引き金を引いたようにさせたい勢力が動いているように感じます : 地の果て小話集・再 ~日本の庶民が見聞きしたことや体験談、そこから考察したことなど~

 


そして2024/10/1夜遅くにイランからイスラヘルへミサイルが発射されたそうですが、日本時間にすると2024/10/2午前1:30だったという事も念のため書いておきます。

※つまり「『悪魔が来りて笛を吹く』の知られざる真犯人についての考察」は、そういった一つ一つの事象に対して書いている訳ではありません。
(その奥の”意図”というのは考えさせられていますが)

 

2024/10/1は日本でレプリコンワクチンが接種開始された日であったのはあります。
(しかし世界で初めてレプリコンワクチンが接種されたという訳では無かった、というのも補足しておきます)(「治験」は他国で行われていたというのもあった)


 

 


~蛇足かも知れませんが…どのように真犯人の犯行に気付いていったか?~


 

自分も最初は穿った見方はしていなくて、
ただ、歴史が書き込まれているなと思って注意深く読んでいるうちに
小説の中で明らかにされていないけれど強く示唆されている「真犯人」が浮かび上がってくるように感じたのが、気付きの最初のきっかけでした。

 

二度目にその人物を意識しながら読んでみると、真犯人がはっきり分かって、
それで「こいつが真犯人か!」と思いながら読んでいってみると「これもそういうことだったのか!」と気付く事が出てきました。

(ただ「こいつが真犯人だ」となっても、幾つかの事件で推理が間違っていたのもありました)(三度目に読み返した時「こういう事だったのか…」となった事がありました)

 

そして、推理していく中で最初の時は「なんてひどい、いたましい、恐ろしい話だ…」と思って読んでいたのに、

二度目に読んでいる時には「真相が分かった!」となったらほくそ笑んでしまう自分もいました。(しかしそんな風に「分かった!」と思った事が、推理が甘くて間違っていたとなった時の恥ずかしさ、情けなさ…)

三度目に読み直した時は「これは確定だな」「これは本当はこういう事だったのか…」「これは本当のところはどうなっているんだろう…」となって、
そしてこういう事も「事件を追うということ」として描きたかったのだろうかと感じました。

 

それなので、自分の推理を読む前に出来るなら本を読んで、推理してみて欲しいなと思います。

 

2024/10/7 更新
イランからイスラエルへのミサイル攻撃が日本時間2024/10/2午前一時半ころ行われた事を追記しました。
また、レプリコンワクチンが日本で接種開始されたことについても追記しておきました。